離婚Q&AQUESTION
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婚姻の取消は、民法744条から民法747条の規定によらなければ行うことができません(民法743条)。
婚姻の取消は、訴えによって行う必要があります。したがって、婚姻の取消を行うには、婚姻取消請求訴訟を提起する必要があります。
なお、婚姻取消に関しても調停前置主義がとられているため、先に調停を行う必要があります。
以下の規定に反した婚姻は、各当事者、親族又は検察官は、取消を裁判所に求めることができます。
①男は十八歳に、女は十六歳になっていること(民法731条)
②重婚ではないこと(民法732条)
③女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過していること(民法733条)
④直系血族又は三親等内の傍系血族の間での婚姻ではないこと(民法734条)
⑤直系姻族の間での婚姻ではないこと(民法735条)
⑥養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間での婚姻ではないこと(民法736条)
①男は十八歳に女は十六歳になっていることという点については、これに違反していても、不適齢者が適齢に達したときは、取消を請求することができません(民法745条1項)。
ただし、不適齢者は、適齢に達した後、3か月間は婚姻の取消を請求することができます。ただし、適齢に達した後に追認をしたときはこの限りではありません(民法745条2項)。
③女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過していることという点については、これに違反していても、前婚の解消若しくは取消しの日から起算して百日を経過し、又は女が再婚後に出産したときは、その取消しを請求することができません(民法746条)。
詐欺又は強迫によって婚姻をした場合、その婚姻当事者は取消を請求することができます(民法747条1項)。
ただし、当事者が詐欺を発見し、もしくは強迫を免れた後3か月を経過し、又は追認をしたときは取消権は消滅します(民法747条2項)。
婚姻の取消は、遡及効を有さず、将来に効力を生じるのみです(民法748条1項)。
婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受けている限度において、その返還をしなければなりません(民法748条2項)。
婚姻の時においてその取消しの原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければなりません。この場合において、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する責任を負います(民法748条3項)。