離婚Q&AQUESTION
離婚Q&AQUESTION
離婚原因として、法律上、「悪意の遺棄」が定められています。
「悪意の遺棄」とは、正当な理由なく民法752条の同居・協力・扶助義務を履行しないことをいいます。
ここで、「悪意」とは、単に遺棄の事実を知っているということではなく、社会的・倫理的に非難されることを意味します。
このように、「悪意の遺棄」は、同居義務等を履行しないことを意味するため、配偶者が別居している場合などに主張されます。
ただし、上述のとおり、「正当な理由がなく」でなければなりませんので、自ら不貞行為を繰り返していたため、配偶者が出て行った場合などは、「悪意の遺棄」には該当しないと考えられます。
離婚原因として、「悪意の遺棄」とともに「婚姻を継続し難い重大な事由」を主張されることも多いといえます。
このような場合、「悪意の遺棄」とまでは言えないが、「婚姻を継続し難い重大な事由」はあると判断されることもありえます。
「悪意の遺棄」というと、「悪意」の意味を上記のようにとらえていることもあり、一方当事者のみに別居の原因がある場合になります。
いずれの当事者にも別居の原因があるが、別居期間が長期にわたるような場合には、「悪意の遺棄」とはいえないものの、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると判断されることもあります。
戸籍先例では、悪意の遺棄を離婚原因とする離婚請求を認容する判決の理由中で、3年以上の継続した別居が認定されているときには、
不正の混乱がないため、再婚禁止期間内であっても、新たな婚姻の届出を受理するという取り扱いがなされています。
したがって、このような場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」ではなく、「悪意の遺棄」を積極的に認定してもらう理由があるといえます。