離婚Q&AQUESTION
離婚Q&AQUESTION
夫婦は、婚姻のとき、夫または妻の氏のどちらかの氏を称することになります(民法750条、夫婦同姓主義)。
なお、この夫婦同姓主義については、当・不当、合憲・違憲などについてさまざまな論議があります。
民法750条の規定が、憲法13条(個人の尊重、幸福追求の権利の尊重等)、14条1項(法の下の平等)、24条1項・2項(家族生活における個人の尊厳と両性の平等)に違反するかが問われた最高裁平成27年12月16日大法廷判決は、「憲法には違反しない。我が国に定着した家族の呼称として意義があり、呼称を1つに定めることには合理性が認められる」(多数意見)(最高裁判事15名のうち10名)として、民法750条を合憲として認めました。
ただし、上記最高裁判決には、民法750条は違憲であるとの反対意見(最高裁判事15名のうち5名)もありました。
今後の民法750条の改正の動向、あるいは、上記最高裁判決の変更の可能性等については、注意を要します。
離婚した場合、婚姻により氏を改めた者は、婚姻前の氏(旧姓)に戻るのが原則です(復氏)。
その場合、戸籍としては、婚姻前の戸籍(親が戸籍筆頭者となっていることが多い)へ戻ることもできますし、自らを戸籍筆頭者とする新しい戸籍を作ってもらうこともできます。
しかし、離婚の日から3か月以内に、戸籍法上の「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」を区役所、市役所、町村役場等へ提出して、婚姻時の氏を名のることもできます(婚氏続用)(民法767条、戸籍法77条の2)。
この場合は、自らを戸籍筆頭者とする新しい戸籍を作ってもらうこととなります。
なお、離婚により復氏してから3か月以上経過後に婚姻時の氏を名のりたいという場合には、家庭裁判所に氏の変更許可の申立をして許可を得ることが必要となります。離婚の日から3か月以内の場合には、「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」を役所に提出するだけで、家庭裁判所の許可など必要とすることなく、婚姻時の姓を続用することができたのに比べて、離婚の日から3か月以上経過後に離婚時の氏を続用したいと希望する場合には、家庭裁判所の許可(その許可には、やむを得ない事由が必要となります)を得るという手続を経なければなりません。
婚姻時の氏を続用するか、元の氏に戻るかは、できる限り離婚の日から3か月以内に決断することが望ましいといえます。